令和元年9月議会 一般質問 議事録
◆9番(野口佳宏君) 皆様、こんにちは。自民清和会、野口佳宏でございます。
議長より発言のお許しを賜りましたので、通告に従い、質問いたします。
子育て支援奨励金についてお聞きいたします。
新聞やテレビでは、連日児童虐待や子供の貧困化について報じられております。厚生労働省や日本こども支援協会によれば、経済的な理由や親の病気、虐待により親と一緒に暮らすことができず、公的責任において社会的養育・保護を受けている、いわゆる社会的養護下の子供たちは、日本に4万5,000人いると言われ、岐阜県内には581人の子供たちが公的支援を受けている現状です。
平成28年度の虐待相談件数は、全国で12万2,578件に上り、虐待死として判明しているだけで年間50人以上、1週間に1人はどこかで亡くなっている現状です。
また、岐阜県では、平成30年度に県内5カ所の県子ども相談センターが対応した児童虐待の相談対応件数(速報値)を取りまとめ、その結果、1,405件、対前年度比28.3%増で、過去最多となりました。
昨今、急速な社会変動により、虐待には多くの原因がありますが、その一つに子供の貧困化が挙げられます。17歳以下の子供の貧困率は13.9%、約7人に1人が貧困の状態と言われ、ひとり親家庭の貧困率は50.8%まで推移し、岐阜県の子供の貧困率は、昨年度の調査では7.2%となりました。
国内の貧困化率は、ここ数年で改善はされておりますが、皆様ご承知のとおり、先進国の中でも最悪な水準であります。また、公益財団法人日本財団の調査では、貧困状態で育った子供たちが納税者とならず、社会保障を受け取る側になることで、子供の貧困が社会に与える影響、社会的損失は、42.9兆円になると試算しております。
日本特有の母子家庭における貧困状況の特徴が、無職者の貧困家庭よりも有業者の貧困家庭のほうが比率が高いということがあります。これは、日本では子育てと就労の両立が難しい社会環境にあり、子供を育てながら働けるのはパートや臨時雇用であることが影響されると言われております。
こうした社会環境の負の連鎖を断ち切り、これ以上子供たちが犠牲とならぬよう、日本の将来を担う夢を抱いた子供たちが健やかに一日一日を過ごせる社会づくりを構築する必要があります。そのためには、多くの施策や考え方がありますが、ワーク・ライフ・バランスの充実が重要であると考えます。このワーク・ライフ・バランスを論ずるとき、今までは男女共同参画の推進が一施策として前面に展開され、男性の家庭への参画や女性の経済的自立、男性も女性も意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会を目指し、仕事と生活の調和を図ってまいりました。
地域と子供・保護者のつながり、さまざまな教育・学びの支援、経済的貧困への対応など、切れ目のない子育て支援の充実や、ワーク・ライフ・バランスを深化させるには、次世代育成支援対策推進法や育児・介護休業法に基づく国・地方公共団体・事業主・国民相互の連携を図るとともに、子育て世代の視点に立った働き方改革を推進する企業の協力が必要であると考えます。
しかし、現代社会において、大手企業による子育て支援の取り組みばかりがPRされ、地方企業や中小・小規模企業の取り組みは、残念ながらクローズアップされていないのが現状であろうと感じております。
こうした中、本市は平成30年4月に羽島市保健センターに子育て相談センター羽っぴぃを開設。保健師が妊婦さん、子育て中の親が抱える不安、悩みに寄り添い、解決に向けて支援をし、出産後に頼れる人がおらず不安が大きい場合には、産後ケアの利用を勧め、子供が病気のときにも仕事を休めないという悩みには、病児・病後児保育を紹介したりするなど、協力して支援プランを作成する体制が構築されるなど、こうした本市の取り組みに大いに期待を寄せているところであり、また、この流れによって本年度、本市の独自事業として子育て支援を実施する市内企業に対し、子育てに優しいまちづくり、子育て支援奨励金が新設されたところであります。
本年度も中盤に差しかかり、本事業の実施時期であろうと思います。子育て支援奨励金の制度について、その詳細をお示しください。
以上で、1回目の質問を終わります。ご答弁よろしくお願いいたします。
P.122 副議長(藤川貴雄君)
○副議長(藤川貴雄君) 子育て・健幸担当部長 横山郁代さん。
P.122 子育て・健幸担当部長(横山郁代君)
◎子育て・健幸担当部長(横山郁代君) お答えいたします。
今年度、子育て支援企業を応援するために子育て支援企業認証・表彰制度を新設いたしました。この制度は、市内に本社を置き、従業員に対する家庭と仕事の両立支援や地域の子育てを支援する企業等を市が子育て支援企業として認証し、特にすぐれた取り組みをしている企業を表彰するとともに、最優秀企業には20万円、優秀企業には10万円の奨励金の支給を想定しています。
子育て支援企業として認証された企業には、認証書を交付するとともに、認証マークを授与し、名刺等への活用をしていただきます。
また、企業の取り組み事例を市が広く紹介することで、市内企業の子育て支援への意欲を高め、子育てしやすいまちづくりを推進するものです。
以上でございます。
P.122 副議長(藤川貴雄君)
○副議長(藤川貴雄君) 9番 野口佳宏君。
P.122 9番(野口佳宏君)
◆9番(野口佳宏君) ご答弁ありがとうございました。
当初の子育て支援奨励金が子育て支援企業認証・表彰制度として事業展開をされるということでございました。
1回目の質問で触れさせていただきましたが、なかなか子育て支援を実施している地方企業というのは目に見えないのが現状でございます。そうした中で、本事業は充実したものであると思いますが、今後のスケジュールについてお聞かせいただきたいと思います。
P.122 副議長(藤川貴雄君)
○副議長(藤川貴雄君) 子育て・健幸担当部長 横山郁代さん。
P.122 子育て・健幸担当部長(横山郁代君)
◎子育て・健幸担当部長(横山郁代君) お答えいたします。
この制度についてですが、9月から10月にかけて、関係団体への周知を図るとともに、企業からの応募申請を受け付けいたします。
その後、市子ども・子育て会議にて審査を行い、その結果をもとに認証企業、表彰企業の決定をいたします。
来年1月には、特に優秀な企業を表彰し、市広報紙、ホームページにて企業名やその取り組み内容について公表する予定としております。
以上です。
P.123 副議長(藤川貴雄君)
○副議長(藤川貴雄君) 市長 松井 聡君。
P.123 市長(松井聡君)
◎市長(松井聡君) 補足をさせていただきますが、この制度に関しましても、財政状況云々ではなく、この問題については、新たな事業展開ということで、おおむね3年程度のスクラップ化を予定をいたしております。なぜかといいますと、まず市内の中で、先ほど申し上げましたように、私が他の議員のご答弁のときに教育環境、そして生活基盤、さらには福祉関係については県内でもトップクラスの評価を名古屋の公益財団法人から受けておりますが、このデータ全てが私は許容できるものではありませんが、その一方で、女性の働き場所、働き方、それからコミュニティ、粟津議員のご質問にもありました。この2つは、残念ですが、県内では余り高い評価ではなく、逆に低位にとどまっておるところでございます。
要因といたしましては、やはり先ほど来、野口議員からもおっしゃっておみえになりますように、企業規模が余り大きくないというところでの、なかなか行き届いた女性職員を中心とした方へのサービスが行かないという部分もありますが、その一方で、株式会社羽島企画さんかと思いますが、女性の働き方、みずから企画をしてという運営については、県内でもトップクラスの認証を受けておるところでございます。
つまり、申し上げたいのは、3年かけて長々と同じ制度でやっていても、これは効果測定にはつながりませんので、ある程度の検証を申し上げ、その結果によって次の段階に何をなすべきかというあたりについて検討をして、また議会にお諮りをしてまいりたいなと考えておるところでございます。
具体的に申し上げますと、例えば何がしかの保育士等の人員配置をされるようなところへの一部支援金であるとか、あるいは設備の改修を企画をされているようなところへの一部補助であるとか、そういう形の目に見えるようなものについての転換を行っていくということで、従来型の羽島市で大いに反省すべき、何十年も続くような同一の支給基準に基づくような支援制度ではない制度設計に向けて、今後とも腐心をしてまいりたいと存じますので、ご理解がいただけるとありがたいと思います。
以上でございます。
P.123 副議長(藤川貴雄君)
○副議長(藤川貴雄君) 9番 野口佳宏君。
P.123 9番(野口佳宏君)
◆9番(野口佳宏君) ご答弁ありがとうございました。
9月、10月にかけて周知を図って応募を受け付けるとのことでした。多くの企業から申請があることを願っております。
また、さらなるステップアップとして、厚生労働省でも似たような認定制度というんですかね、くるみんマークというのがあるんですけれども、そういった条件が非常に厳しくてハードルがあるんですけれども、そういったことも啓発をしていただきたいと、このように思っております。
最後になりますが、今回の子育て支援奨励金、子育て支援企業認証・表彰制度についてお話をさせていただきましたが、子育て支援、特に貧困化というのは、一つの家庭だけが抱える問題ではなく、社会全体で支援をしなければならない現状であると実感をしております。
この貧困化について、施策を充実させることもさることながら、非常にケース・バイ・ケースの対応になるので困難を極めるかもしれませんが、実態調査を行えるような体制も必要なのではないかなと、このように感じているところでございます。
要望にとどめてはいけないので、継続的な議論ができるように私も情報収集に努めていきたいと思っておりますが、ぜひ来年度、企業向けの子育て支援または子供たちの貧困化対策事業の充実を目指していただきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。