令和元年12月議会 一般質問 議事録
9番(野口佳宏君) 皆様、おはようございます。
自民清和会、野口佳宏でございます。
議長より発言のお許しを賜りましたので、通告に従い質問いたします。
1標題め、通学路・園児等の移動経路の安全確保についてお伺いいたします。
本年6月定例会において、羽島市通学路安全推進会議で検討された市内の危険箇所は、41カ所であるとご報告をいただき、早急な対応を要望させていただきました。この質問から半年がたちました。
そこで、お伺いをいたします。
その後、どのように対応がなされたのか、優先整備箇所、各所管が専門的な見地により対応する必要がある箇所及び県道について、また、変更点等々ございましたら、あわせてお示しください。
2標題め、スマート自治体の実現に向けて、スマート自治体を推進する考えについてお聞きいたします。
政府が掲げる未来社会ビジョン「Society5.0」、それは狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上5番目の新しい社会であり、AI、ロボット、IoTなどの活用によって、新しい価値やサービスが次々と創出される時代であると言われています。
内閣府によれば、日本の総人口は2053年には1億人を割ることが予想され、人口減少による労働生産性の低下や経済成長の鈍化が専門家などから指摘されていますが、これは自治体運営についても同じことが言えます。
総務省は、2018年7月に、高齢者人口がピークを迎える2040年をシミュレーションした「自治体戦略2040構想研究会第二次報告」を発表しています。その中で、内政上の危機とその対応が述べられており、自治体行政はICTの活用を前提として発展する必要があると提言。2019年4月には、「スマート自治体の推進について」という資料も発表されており、「AI・RPAを含めたICTの活用の進め方」を提言しています。
このスマート自治体は、人口減少が深刻化しても自治体が持続可能な形で継続的に行政サービスを提供して、住民福祉の水準を維持し、職員を事務作業から解放して、職員でなければできない、より価値のある業務に注力するとともに、ベテラン職員の経験をAI等に蓄積・代替することで、団体の規模や能力、職員の経験年数にかかわらず、ミスなく事務処理を行える自治体を目指すものであり、各自治体で使用しているシステムを標準化することで、RPAなどの横展開や共同購入を進め、コスト削減につなげることも想定されています。
さまざまなICTの活用と総務省が進める自治体クラウドを掛けあわせれば、財源や人員不足に悩む自治体においても、スマート自治体の実現が可能になります。
本市においても、スマート自治体を現実的な政策として力強く推進すべきです。
業務の生産性はもとより、住民・企業等の利用者にとって、利便性の向上と自治体が行政上の諸課題に的確に対応し、持続可能な形で質の高い行政サービスを提供できると思います。
そこで、お伺いいたします。
スマート自治体を推進する考えとともに、現在、パブリックコメントを実施中の「羽島市第六次総合計画後期実施計画」にはどのような位置づけとなっているのかお示しください。
以上で、1回目の質問を終わります。
ご答弁よろしくお願いいたします。
○議長(星野明君) 建設部長 岩田 靖君。
◎建設部長(岩田靖君) 私からは、通学路・移動経路の危険箇所の対応状況についてお答えいたします。 ことしの6月議会で報告いたしましたように、滋賀県大津市の事故を踏まえて実施した緊急点検の結果、市道に関して41の危険箇所が指摘されており、その後、さらに園児の移動経路で2カ所が指摘されたため、計43カ所の改善が必要と考えております。 その中で、小・中学校や保育園等から報告された19の優先整備箇所につきましては、公安委員会が対応する1カ所を除いた18カ所について工事を実施し、11月末時点で対応済みとなっております。 工事の内訳といたしましては、防護柵設置が5カ所、カラー舗装が4カ所、区画線設置が11カ所、そして視線誘導標の設置が2カ所であり、1カ所に複数の工種を実施している箇所もございます。 また、残る24の危険箇所につきましても、散歩コースの見直しを検討する1カ所を除いた23カ所について既に工事を発注しております。 現在は、地下埋設物の調査等工事着手前の確認作業などを進めており、令和2年3月中旬までの工期で順次施工を行う予定でございます。 県道につきましては、おのおの2車線以上の道路が交差する信号交差点で、歩道が設置されている箇所を対象に県による緊急調査が実施され、羽島市内の42の交差点に防護柵等の安全対策を実施する工事が既に発注されたと聞いております。 以上でございます。
○議長(星野明君) 企画部長 古川裕之君。
◎企画部長(古川裕之君) スマート自治体の実現に向けてについてお答えいたします。
自治体戦略2040構想研究会第二次報告では、2040年ごろには深刻な労働力不足が社会経済の前提となることが予測される中、自治体においては、従来の半分の職員で自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要であり、AIやRPA等の情報通信技術の活用によるスマート自治体への転換が必要であるとされております。
先進自治体においては、AIやRPAについて実証実験を経て導入を進めておられる一方、国では、スマート自治体の推進に向け、業務プロセス・システムの標準化を進め、安価に導入できるよう、共同利用できる環境を整備することを方向性として打ち出しております。
こうした中、本市におきましても、現在策定を進めております「第六次総合計画後期実施計画」及び「行政改革プラン」において、情報通信技術等を活用した市民サービスの充実や業務の効率化の推進を位置づけております。先進自治体の事例等について情報収集しつつ、国による業務プロセス・システムの標準化・共通化の動向を見きわめ取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(星野明君) 9番 野口佳宏君。
◆9番(野口佳宏君) ご答弁ありがとうございました。
次の質問でございます。
◎市長(松井聡君) 1点目がまだご質問があるかなと思いましたら移ってしまわれましたので、少し今検討中の事柄でございますが、当市を含めて道路幅員の関係で歩車道分離がされていない道路が多いのは、我が国の特有の私は問題点であるという認識をいたしております。
そのような中、とりわけ旧スクールゾーンと言われました学校周辺でございますとか、あるいは園児の方が往来をされる道路、さらには高齢者の方、そして通学路等につきまして、現在、所管のほうに検討を指示をいたしておりますが、他の一部の自治体でございますような、路側帯から外側の部分ですね、道路、この部分をカラー舗装をかけまして、とりわけ視認性の高い安全確保という部分での取り組みについて、公安委員会等とも協議をしながら、このような形のところで安全確保もしてまいりたいと考えております。
さまざまなる事故防止、安全のための通行、そのような事柄について留意をしてまいりますので、今後とも各段のご助言をいただけるとありがたいと思います。
以上でございます。
○議長(星野明君) 9番 野口佳宏君。
◆9番(野口佳宏君) ご答弁ありがとうございます。
道路の危険箇所について、ちょっとラインのところでお話をしたかったんですけれども、次の質問に移ります。ご答弁ありがとうございました。
スマート自治体の実現に向けて、次の質問から2つの施策について質問いたします。
まず初めに、キャッシュレス決済の導入についてお伺いをいたします。
市民サービスの充実と利便性を図るため、キャッシュレス決済サービスを活用した市税納付などのキャッシュレス化の推進に取り組み、現金のやりとりを省いたスピーディーな決済を行える仕組みを導入した自治体がふえてまいりました。
自治体によりサービスはさまざまですが、スマートフォンを用いて市役所窓口で支払う証明書などの交付手数料を決済できるサービスや、市税などの納付書のバーコードを読み取ることで、金融機関やコンビニへ行かずにその場で納税することができたり、公共施設の利用料金等々に対しても、スマートフォン決済ができるような時代となってまいりました。
また、キャッシュレス化により、行政における現金の授受による管理コストの削減も実現できるかと思います。
本市におけるキャッシュレス決済の現状と、QRコード決済などのスマートフォンアプリによるキャッシュレス決済の導入についてお考えをお示しください。
○議長(星野明君) 会計管理者 山内勝宣君。
◎会計管理者(山内勝宣君) キャッシュレス決済の現状は、普通徴収の市・県民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、水利地益税、国民健康保険税について、クレジットカード、ネットバンキング、Pay Bを導入しております。
上水道料金、簡易水道料金、下水道料金についても、Pay Bを導入しております。
住民票、税証明などの発行手数料や屋内運動場利用料金等については、キャッシュレス決済は導入しておりません。
また、国は消費税の増税に伴う対策として、令和2年6月末までの期間限定でキャッシュレス決済にポイントを還元するなど、キャッシュレス決済を推進しております。
今後は、既に先行しております大垣市や、他の県外の自治体の事例を参考にしながら検討を深めてまいります。
以上でございます。
○議長(星野明君) 9番 野口佳宏君。
◆9番(野口佳宏君) ご答弁ありがとうございます。
次でございます。2つ目の施策として、LINE公式アカウントの導入についてお聞きしたいと思います。
近年、地方自治体においてLINEを活用した住民向けサービスの提供が進んでおります。LINEは月間利用者数が8,100万人を超え、日本国内では社会インフラとして欠かせないコミュニケーションツールとなり、地方自治体においても、ウェブサイトやメール、電話と並んでLINEを情報発信や問い合わせ受付窓口に活用する事例が増加しております。
こうしたLINEを導入した先進自治体として有名なのが、秋田県横手市であります。この横手市では、LINE内でトークをしながら、横手市の最新情報が検索できるようになっており、また、防災などの緊急時には、位置情報を送信すると、現在地周辺の避難場所の位置やハザードマップが表示される機能も実装しております。
特定の住民に対するターゲティング・メッセージの配信やOne to Oneコミュニケーションなども実現することができます。
Society5.0、スマート自治体・スマートシティ、キャッシュレス決済など、地方公共団体に求められているICTの活用やさらなる市民サービスの向上も実現されることと存じます。
そこで、お伺いをいたしますが、羽島市公式LINEアカウントの導入についてお考えをお示しください。
○議長(星野明君) 市長室長 国枝篤志君。
◎市長室長(国枝篤志君) 国の「平成29年版情報通信白書」で公表されている代表的SNSの利用率の推移によると、LINEの利用率は世代全体で67%と最も高く、20代から30代の年齢層では90%以上が利用しています。
情報を得る手段が多様化する中、市ではホームページや広報紙に加え、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターといったSNSを活用しています。LINEについては、若年層を中心に利用者が多いことから、新たな情報発信ツールとして効果的であると考えております。
現在、市公式LINEアカウントを開設するため、他自治体の事例や導入コストを調査し、新年度予算に組み込むよう準備を進めているところです。
SNSの弱点として、運用方法によっては情報過多に陥り、必要な情報が埋没してしまう可能性もあります。そこで、市公式LINEでは、利用者が興味のある行政分野を登録時に選択することで当該情報のみを受信できる、パーソナル配信機能を活用したいと考えております。
○議長(星野明君) 9番 野口佳宏君。
◆9番(野口佳宏君) ご答弁ありがとうございます。
導入に向けて準備を進めているとのことでございました。
本年、5月31日に公布されました「デジタル手続法」にかんがみ、LINEも自治体向け提供サービスを充実させた経緯があり、持ち運べる役所という構想を打ち出しております。
本市におけるLINEアカウントの導入については、既に羽島市行政改革プラン案、行政改革推進計画に示されております。情報発信の拡充として、羽島市公式LINE利用者数を、令和4年度には3,400人とする数値目標が記載されております。機能を充実させると、費用が高額になると思います。導入経費やランニングコストにも配慮しながら、利用者数を伸ばしていただきたいと思います。
そうしたことを念頭におきながらお話をしたいと思いますが、先ほどキャッシュレス決済の導入についてお聞きをしました。答弁は検討を深めてまいりますとのことでしたが、皆様ご承知のとおり、LINEにはLINE Payというサービスもございます。担当課が異なりますが、市民サービスの向上を目指す上では、施策を一体化させることも重要でございます。ぜひご検討をいただきたいと思います。
次の質問です。
本市の情報発信のツールとして、登録制メール「はしメール」がございます。防災に関係する情報について登録されている市民の方、7,800人を超えております。今後、公式LINEが導入された場合、「はしメール」との相違性、そして連携の手段をお示しください。
また、このLINEはどのように活用をされるのか、現在考えておられる機能等々詳細をご説明願います。
○議長(星野明君) 市長室長 国枝篤志君。
◎市長室長(国枝篤志君) 「はしメール」が市から登録者への一方向型のコミュニケーションツールであることに対し、LINEは市と登録者の双方型のコミュニケーションツールです。LINEには、自動応答機能を活用することができるメリットがあります。
具体的には、利用者が求めている情報のキーワードを入力することで、LINEが自動で応答したり、情報のリンク先URLを表示したりすることができます。
さらに、スマートフォンのカメラ機能を活用し、道路等の異常箇所や場所をLINEで市に提供していただくこともできます。
また、「はしメール」との連携方法としては、LINEと別アプリケーションを連携させるためのシステム構築に費用がかかるため、現時点でのジョイントは予定しておりません。暫定的ですが、「はしメール」で提供する重要な情報は、手動でLINEにより発信する運用を検討しているところであります。
以上です。
○議長(星野明君) 9番 野口佳宏君。
◆9番(野口佳宏君) スマートフォンのカメラ機能を活用して、道路等の異常箇所の場所、位置情報等も市民の皆様から提供いただくということが可能になります。
こうした機能を活用すれば、1標題めに少しお話をしましたが、通学路、移動経路等の危険箇所等々につきましても、そういった即時対応が可能になると思います。
また、文科省の事業で、岐阜県の教育委員会が実施している取り組みを少しご紹介をさせていただきます。
これは何かと申しますと、学校行政においても、LINEの活用が進められております。
県教委・学校安全課では、さまざまな悩みを抱える子供たちが気軽に相談できるよう、若年層が用いる主なコミュニケーション手段のSNSを活用した相談体制の構築について検討を行っています。SNSを活用した相談体験構築事業というものでございますが、この事業は、平成30年度、そして本年度、両年度とも21日間という非常に短い期間ではございますが、期間限定で「子供SNS相談@岐阜」を開設し、LINEを活用していじめや進路に関する悩み、児童虐待、家庭環境等々の相談に応じたところであります。
相談終了直後の子供たちに対してアンケートをとったところ、回答した生徒の81.3%の生徒が相談してよかったと答え、相談に対する満足度が高く、また、相談期間終了後のアンケートでは、ふだん電話をかけることができなかったり、時間がなかったりして悩んでいたけれども、SNS相談でやさしく悩み事を聞いてくれた、とてもうれしかった、相談して気持ちが楽になったとの感想があったとのことです。
このように、幅広い分野でLINEが活用されていることがわかります。
羽島市におきましても、的確なる市民サービスの向上に向けてLINEを活用していただきたいと思います。
今回は、スマート自治体について、キャッシュレス決済、LINEの導入についてお話をさせていただきました。Society5.0など、スマート自治体は自治体運営の柱になります。
また、こうした環境でありますので、布石を打つために順次対応施策が必要になります。
今後も先進自治体をご紹介しながら、議論をさせていただきたいと思います。
これで私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。